atsukanrockのブログ

Microsoft系技術を中心にぼちぼち更新します

ソフトウェアの海外生産

日産、主力車「マーチ」生産をタイに全面移管』だそうだ。よく言われている「生産をモジュール化し、誰でも同じものを作れるようにする」というのが実行に移されたということだろうか。たしかに、自動車の大量生産であれば、日本人が作ってもタイ人が作っても同じクオリティのものができそうな気がする。

この流れが、私の居るIT業界にもどれくらい押し寄せるか、興味がある。ここ数年、オフショア開発というのが流行る流行ると言われているのではあるが、私は、その波は日本のIT業界を覆いつくすほどには押し寄せないのではないか、と思う。

理由は次のとおりだ。携帯電話の機体に関してよく言われているが、日本では、技術が「ガラパゴス的な」独自進化を遂げることがよくあるそうだ。IT業界については、技術ではガラパゴス的進化は起こっておらず、基本的にアメリカが先行し、日本は追従する形だ。ただ、日本の文化というのは独自であり、他国の人がその文化を理解してソフトウェアを作るとなると、文化のギャップを埋めるのに時間がかかり、それほどコストを抑える効果がないのではないかと思うからだ。

とは言ってみたが、上記は設計にしか当てはまらないな…。精緻な詳細設計書を日本人が書いてしまえば、それを実装するのは海外でも問題がないわけだ。

ただ、日本には昔から「察する」という文化があるので、その「精緻な詳細設計書」を記述するのが日本人にはハードルが高いのは確かだと思う。言ってしまえば、日本人向けの設計書と、外国人向けの設計書では、記述のレベルを変えざるを得ず、それを記述するのにかかるコストが大きく変わると思われる。そのコスト差を吸収して余りあるほど、海外での実装によるコスト減が大きいかどうか。どうなのだろう。